松山の観光特攻隊! |
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第2章 松山を走りぬけるアトラクションたち |
1 観光都市松山というテーマパーク |
このガイドブックは趣向を変えて、個人旅行で松山にやってきて、道後温泉に浸かった後、松山の繁華街で夕食を摂って、そのまま近くのホテルで宿泊するという旅行客をターゲットにしている。従って、大街道周辺の案内から始めたのであるが、先にそちらを見ていると、普通の路面電車の走る街とは趣の違ったものにお目にかかれると思う。それが松山のシンボル坊っちゃん列車とマドンナバスである。 かつて松山平野を駆け抜けた坊っちゃん列車が、松山の街に復活したことはお分かりいただいたと思う。 この蒸気機関車こそが、明治二八年に松山の地を訪れ、その後小説坊っちゃんの中で出てきた「坊っちゃん列車」である。その坊っちゃん列車は、現在は全て電化されてこの世を去った。しかし、坊っちゃん列車の復活を願う市民の努力によって、ついに平成一三年一〇月に再び松山の街を走るようになったのである。 私は、この坊っちゃん列車について、観光都市松山というテーマパークを結ぶアトラクションだと思っている。 というわけで、せっかく松山にやってこられたのであるのなら、坊っちゃん列車に乗るもよし、外から眺めるもよし。決して、「実際乗ってみれば乗り心地が悪かった」「一編成に乗務員が三人も乗り込んで、あれで儲かるのか?」「なんだ蒸気機関車の形をしているだけで実際はディーゼル機関車じゃないか」などということはこの際横に置いていただきたい。それではTDRでミッキーマウスを見て「あれは本物ではなくて、実は中に人がはいっているんだよ」と言っているのと同じである。テーマパークという疑似体験の中で、松山の街を楽しんでいただきたいと思う。 |
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2 あちこちに見られる坊っちゃん列車 |
明治二一年から松山平野を走っていた坊っちゃん列車は、無煙化の波の中、昭和二九年に営業運転から姿を消す。 近年になって、坊っちゃん列車の復活を望む声が高まってきた。そして、復活前においても、あちこちに坊っちゃん列車の姿があったのである。まずは、それから紹介することにしようか。 @梅津寺パークの坊っちゃん列車 松山市駅から高浜方面へ電車に乗って約二〇分、終点高浜駅のひとつ手前に梅津寺駅がある。ここには、伊予鉄道が経営する遊園地があるのだが、この敷地の中に坊っちゃん列車が静態保存されている。 伊予鉄道史によると、坊っちゃん列車一号機関車は廃車後、昭和二八年一〇月二〇日に、現在の道後公園に保存、三号機は新居浜の愛媛大学工学部に寄贈された。ところが、道後公園に保存されていた一号機は、部品などの盗難が続き荒廃が目立ってきたことから、三号機の変換を受けて、部品の補充などをし、昭和四五年五月に梅津寺パークに保存されることになった。 A伊予鉄道本社前の坊っちゃん列車 松山市駅の東側にある伊予鉄道本社ビルの前に、坊っちゃん列車を九〇パーセント程度に縮小した模型がある。これはもちろんレプリカであって、坊っちゃん列車が復活した現在においては、どうも貧相なイメージを持たざる得ない。 B宮田ビルの坊っちゃん列車 松山市喜与町の南方方面行きバス停の前にある。これは米山工業の社長が道楽で製作したという話で、この坊っちゃん列車は実際に蒸気で走るのである。 かつては、JR松山駅構内でのイベント運行や、平成一三年九月には北海道穂別町に渡って、やはりイベントとして走っている。現在でも一応一回一五万円で貸してくれるというが、運搬費用は別なので念のため。 なお、この坊っちゃん列車の隣のビルには「有限会社坊っちゃん列車を走らせる会」という看板がある。多分、坊っちゃん列車復活に関しては、かなりの尽力をしてきたことに違いあるまい。 C県立総合科学博物館の坊っちゃん列車 新居浜市にある県立総合科学博物館に坊っちゃん列車のレプリカが飾られている。 D正宗寺の坊っちゃん列車客車 第一章で述べた正宗寺にある実際に走っていた坊っちゃん列車の「ハ一」型客車。 引退後、伊予鉄道が寄贈したもので、車内には小規模ながら、貴重な資料が展示されている。 E古町駅の坊っちゃん列車客車 伊予鉄古町駅には車両基地があるが、この一番奥に坊っちゃん列車の「ハ三一」型客車が留置されている。古町西側の細い農道へ行けばよく見える。が、職員の更衣室用とされているものの、荒廃が激しく、実際に活用されているとはとても思えない。 |