松山の観光特攻隊! |
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4 坊っちゃん列車の上手な乗り方 |
休日などは混雑する坊っちゃん列車であるが、混雑する坊っちゃん列車には大体規則性がある。これからそれを述べることにしよう。 まず、坊っちゃん列車が一番込むのは、道後温泉駅を午前中に出発する便である。休日などは、朝の三便(八時四七分発、九時二八分発、九時五五分発)と一一時二九分発の便は満席になることが多いようである。この「満席」というのは、着席定数と立席定数を合計した三六人が乗車した状態をというので、夏目漱石の小説坊っちゃんのように「ごろごろと・・・」などと優雅に乗車する気分にはなれない。 では、坊っちゃん列車に確実に座る、あるいは優雅に楽しむにはどうしたらよいか。それは、古町駅から乗車することである。土日祝日のダイヤで言えば、古町発は八時四一分、一〇時四一分、一五時〇一分の三便しかないことがわかる。が、この三便が間違いなく空いているのである。私は平成一四年八月の坊っちゃん列車が現在の三百円になったあたりから毎週欠かさず乗車しているが、通常の古町発の便で座れなかったことはないし、まず混むこともない。 通常と断ったのは、一時期、道後温泉からの乗車を避けて、団体客がバスで運ばれて古町駅から乗車したことがある。また、たまに団体専用列車となることがある。この場合は団体客が先に乗車し、定員に達しなければ一般客も乗車することができるが、まず立客となることは覚悟しなければならない。 一般的な見解としては、八時四一分発便は、多客期に運転されるJR「ムーンライト松山」で松山入りしたと思われる人が古町又はJR松山駅前から乗車してくる。一〇時四一分発便はたいてい空いているが、たまに道後温泉から流れてきたと思われる小団体客が乗ってくることがある。一五時〇一分発便は古町出発時はがらがらだが、途中からの乗客が多く、道後温泉到着時は立客が出ることが多い。 この午後の便は、松山市駅発の場合でも同様で、要するに道後温泉に宿泊しようとする人々が道後温泉へと集結しているのである。だから、夕方の道後温泉発の便は案外空いている。この場合の乗客は、今夜は道後温泉に宿泊するが、松山市内に出て行こうという人、もしくは、この本が意図する「道後温泉には浸かったが、今夜の宿泊地は松山市中心部だ」という人たちが中心のようだ。 |
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5 マドンナバス |
土曜休日に限られるが、松山市内を走っていると、昔懐かしいボンネットバスを見ることができると思う。伊予鉄道ではこのバスに、坊っちゃんにひっかけて「マドンナバス」と名づけている。昔懐かしいといっても、車体は少々派手な色なので、レトロかどうかは判らないが、坊っちゃん列車と並んで走っていると、なんとなくそんな気がすることと思う。
大街道を朝九時〇〇分から、JR松山駅前を九時一二分から、一八時三〇分(一〇月から三月は一七時〇〇分)発の便まで三〇分ごとに走っている。定期観光バスで流されるよりは、自分の目で松山市内をとろとろと眺めるには最適だと思う。だから、走っている場所はそういうところを選んでいるようにも思う。 経路は、大街道〜一草庵〜ロシア人墓地〜古町〜庚申庵〜JR松山駅前〜松山市駅〜大街道を一時間かけて走る。そのうちロシア人墓地では一〇分近くは停車してくれる。 運賃は一乗車二百円(子供半額)だが、「遊々チケット」というマドンナバス、市内電車、東西・東南ループバスの一日乗車券四百円(子供半額)の方が便利だと思う。また、この切符で坊っちゃん列車が一日一回に限り二百円(子供一五〇円)で乗ることができる。 先ほども述べたように、このバスは城北の隠れた名所を走っている。このバスが走るまでは、結構歩かなければならなかったが、このバスのおかげで大分楽になった。そのあたりの観光案内は第四章で述べることにする。 |
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6 市内電車 |
松山に住んでいると、あまりに日常的に見ることができるので、なんとも思わないが、松山市内を走っている路面電車は、観光客や松山市民の気軽な足として利用されている。考えてみれば、松山市の規模に比べると、路面電車の路線としての密度は高い。伊予鉄道ではこの他、郊外電車と呼ばれる鉄道が松山市駅から三方向へ伸びており、この郊外電車と区別するうえで、路面電車は市内電車と呼んでいる。このため、今後もあえて市内電車ということにする。
この市内電車の車両は、古いものではすでに製造から五〇年を越えている。車体番号に「51」と書かれているのが最も古い。また、「2001」から「2006」と書かれた車両は京都市内を走っていた電車が、京都市の市電廃止後に松山にやってきたものである。また、かつては広島県呉市からやってきた車両もあったが、現在はすべて廃車になっている。この呉市からやってきた電車は「1001」が最後まで残っていたが、現在は呉市に戻って静態保存されている。 その中で、四角い近代的な車両が走っているのを見かけることがあると思う。これが、LRTと呼ばれる超低床電車で、現在伊予鉄道では九台が走っている。 また、愛媛県では二〇一七年に国体が予定されていて、現在それにあわせてJR松山駅の高架事業が行われることになっているが、その際伊予鉄道の市内電車も高架されたJR松山駅の下に移動し、さらに西側へ七〇〇メートルほど延長する計画がある。 松山市役所から松山城方面を眺めた風景は、漫画「サザエさん」のオープニングの他色々と取りざたされているが、そこから眺める風景の中に市内電車は欠かせない存在なのである。 |