松山の句碑巡り

 
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第2部 道後編(2)

第3章 平成15年11月16日(日)

「俳句の里巡り」道後コースには、車でなければ行けない場所が2箇所ある。いずれも伊台の山の上にある。この日はちょうどとべ動物園に出かけたので、その帰りに2箇所に出かけてみた。

21番:感無量まだ生きて居て子規祭る(柳原極堂)松山市山田町(妙清寺)

日蓮宗妙清寺は天文2年(1533)善住院日経上人により創立、火災焼失の度に山越、三番町を経て、昭和55年に現現在の地に移っている。この寺に柳原極堂の碑があるのは、三番町に建立されていた時期にすでに立てられていたのかもしれない。いずれにしても、子規に先立たれた後90歳を過ぎた柳原極堂の心中がわかるような気がする。

20番:薄墨の綸旨かしこき桜かな(柳原極堂)松山市下伊台町(西法寺山門)

西法寺は延暦11年(792)桓武天皇り御宇、一条院宮により開基されている。以前は下伊台にあったようだが、度々の火災で現在の所に移ってきた。薄墨桜はこの寺のシンボルみたいなものだが、あと西法寺桜というのもあるらしい。

秋の山、柳も桜も時を越へ(かずまる父)よく判らん!

 
第2部 道後編(2)

第4章 平成15年11月23日(日)

前日はかずまるの父兄参観日で午後は友達とそのまま遊び、翌24日(月)は幼稚園のサッカー。そこへもっていって、今日はかずまるが「えひめこどもの城」へ行きたいといい始めた。これでは完全に3連休がふさがれてしまう。そういえば、2年前のこの3連休で一度出撃記録が途絶えている。それでは困る。仕方がないので、「えひめこどもの城」を出発して、一番町1丁目の電停付近で私とかずまるが下車することになった。

坊っちゃん列車を眺めてから、市内電車で道後温泉へと向かう。これから最終古町行き坊っちゃん列車の整理券発券15時50分までの40分間で近くの碑を回ろうと思う。基本的には「道後村めぐり」と同じである。

7番:伊豫の湯の汀にたてる霊の石 これそ神代のしるし成ける(古歌)松山市道後湯之町(道後温泉本館北)

ご存知道後温泉本館の裏手にある。正面玄関に「道後村めぐり」のポストがあるが、この碑は横手にある。案外見逃しやすいかも?

この後は、円満寺、宝厳寺、伊佐爾波神社の順番で回ると無駄なく歩ける。

8番:狂平の仮名詩碑(臥牛洞狂平)松山市道後湯月町(円満寺)

安政2年に湯がとまった時、この大地蔵に祈願したところ、再びお湯が湧き上がったことから、温泉ゆかりのお地蔵様であるが、少々不気味ではある。

碑中に「蕉下獅子菴」とあるが、これは芭蕉の門人各務支考のこと。臥牛洞狂平はその門人であり、松尾芭蕉の影響は松山でも大きかったことが伺える。

10番:旅衣木のねかやのねいつくにか身のすてられぬところあるへき(一遍)
川田順の詩碑松山市道後湯月町(宝厳寺)

宝厳寺は天智天皇の命により665年創建といわれ、時宗の開祖一遍上人の誕生地として知られる。

9番:色里や十歩はなれて秋の風(正岡子規)
子規忌過ぎ一遍忌過ぎ月は秋(酒井黙禅)
松山市道後湯月町(宝厳寺)

宝厳寺の門前から坂を下ると、いわゆるネオン坂といわれる歓楽街がある。道後温泉を夜歩くことがないのでなんともいえないが、嬉野温泉などと比べると、道後温泉はホテル街中心という印象を持つ。もっとも、ホテルの中に見世物小屋に類する場所があってもけっして不思議ではないが・・・と思っていると、道後温泉内のホテルの「色里」広報車が市内を回っているのを思い出した。そのあたりはどこも同じか。

11番:あかあかと一本の道通りたり霊剋るわが命なりけり(斎藤茂吉)
松山市道後湯月町(宝厳寺)

斎藤茂吉はよく知られた歌人、医師である。農家守谷家に生まれるが、浅草で浅草医院を経営していた親戚斉藤氏の養子となる。「アララギ」の編集者ということで教科書にも掲載されていた。

が、なぜ斎藤茂吉が松山に?松山市教育委員会では明記されていないが、どうも松山出身の女性問題にあるらしい。その女性は当時24歳で、29歳上の斎藤茂吉の問題に見切りをつけて、松山へ帰省し、見合いを進めていたところ、斎藤茂吉が追いかけてきたという。とんでもない奴だ。

12番:伊狹庭(いさには)の湯はしもさはに梅咲けり(加倉井秋を)松山市桜谷町(伊佐爾波神社石段最上段右)

社伝によると仲哀天皇、神功皇后が道後温泉に来湯した際の行在所跡に建てられた神社だという。個人的には、ここのトイレにはお世話になっており、実際結構掃除をしているのを見るので、大変気に入っている。

宝厳寺からやってくると、伊佐爾波神社への長大階段を通らずにすむ。が、碑が見当たらない。階段の上か?下か?一度下に行って、違いました!ではたまらない。よく探していると、上から見ると階段に隠された位置にあった。

伊佐爾波神社からは道後温泉駅がまっすぐ見渡せる。長大階段を下って、駅へは時間までにたどり着いた。これから坊っちゃん列車で帰ろうと思う。

休み半ば、疲れ今夜は寄せ鍋かな(かずまる父)???

ともかく、これで道後コースは東端と西端を残すのみとなった。

 

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